記憶術で人生を変えよう

記憶術とは何か

 記憶術とは、文字通り、記憶をする術(すべ)、技術ということです。もう少し具体的に言うと、効率的に物事を記憶する方法、覚えた物事を、できるだけ長く記憶として自分の中に留めて忘れない方法、そして記憶した物事を、必要なときに情報として引き出す方法ということになります。効率的に物事を記憶する方法というのは、いわゆる暗記方法と同じです。ですが暗記した物事はすぐに忘れやすく、例えばテスト勉強として暗記したのであれば、テストが終わったとたんに忘れてしまうことさえありますよね。覚えた物事を、できるだけ長く記憶として自分の中に留めて忘れない方法というのは、テストが終わったあとも、暗記した物事を覚えておくための方法です。そして記憶した物事を、必要なときに情報として引き出す方法というのは、絶対覚えたはずなのに、出てこないという状態にならないようにするということです。記憶した事実だけは覚えているのに、その具体的な内容が思い出せない! そんなことは、誰にでもよくあることなのです。記憶力に優れている人というのは、膨大な長期記憶へのアクセス方法を心得ている人でもあるのです。パソコンでも、目的のファイルに素早くアクセスできる人、ファイル検索しようにも自分が付けたファイル名も忘れてしまい、ファイル検索しても探し出せない人もいます。ファイルを探すのが上手い人というのは、パソコンの中を上手に整理整頓していたり、きちんとルールに基づいたファイル名をつけていたりする人です。そして、記憶力が優れている人、というのは、まずこのファイルを探すのが上手い人、自分の脳内にある情報を引き出すことが上手い人ということになります。

 それでは、効率的に物事を記憶する方法、覚えた物事を、できるだけ長く記憶として自分の中に留めて忘れない方法、そして記憶した物事を、必要なときに情報として引き出す方法は3つとも別々のものなのかというと、実はそうではありません。効率的な覚え方というのは、自然と忘れにくく、思い出しやすい方法になるのです。記憶術を覚えるための時間がそもそも惜しい、そう考える人もいるかも知れませんが、今後長い時間を生きていく上で、多くの時間を短縮できるのだとしたら全く惜しくはない時間になるはずです。記憶術とは、ひとことで言えば、時間を有効活用することになると私は思います。