記憶術で人生を変えよう

短期記憶、中期記憶、長期記憶

 先ほども紹介した、短期記憶と長期記憶、そして中期記憶についてもう少し詳しく見ていきましょう。記憶には、実は種類があります。新しい情報は、全て一度脳にインプットされます。この、脳にインプットされたばかりの状態が、短期記憶と呼ばれるものです。そして、長期記憶は、文字通り長期間保持される記憶で、忘れない限り何十年でも覚えていられます。なぜ忘れてしまうのかについては諸説ありますが、基本的に思い出す頻度が低い記憶、他の記憶との関連性が無い記憶などは忘却が起こりやすくなります。そして中期記憶というのは、短期記憶と長期記憶の中間とも言える記憶で、短期記憶の中で消去されなかった記憶を、一時的に保管している記憶です。この中期記憶の中から取捨選択された記憶が、長期記憶として定着します。中期記憶はせいぜい1ヶ月ほどの寿命で、中期記憶の内に何度も思い出したり、勉強でいえば何度も復習したりするなどして記憶を呼び戻していると、重要なものだと判断し、ようやく長期記憶になるのです。それでは、短期記憶→中期記憶→長期記憶に変化する情報は、どうやって選別させているのでしょう。基本的には、自分が覚えておきたい情報が残るはずです。勉強をしている時には、もちろん覚えて起きないと思いながら勉強しているはずなのに、覚えていられないのはなぜでしょう。それは自分が興味のない情報や、面白いとは思えない情報を記憶しようとしているからです。楽しく勉強するのと、いやいや勉強するのとでは、結果が違ってくるのはこのためです。そしてもちろんインパクトの強い情報、感情を伴うエピソードなどは忘れにくくなっています。ですが、覚えていなければいけないこと、全てを、楽しいと思ったり、興味を持ったり、というのは現実には難しいはずです。ですから多くの人が記憶術に興味を持つようになるのかもしれませんね。